To Belong Essays ■ 北村明子

北村明子の身体をめぐる日々のあれこれ
~ダンスと出会う時間についての思考~

 

北村明子・プロフィール
北村明子振付家・ダンサー、信州大学人文学部准教授。大学在学中、Leni-Basso結成、文化庁派遣在外研修員としてベルリンに留学。01年Bates Dance Festival(USA)、03年American Dance Festival(USA)委託作品発表。01年代表作“finks”は世界各国にて上演、モントリオールHOUR紙2005年ベストダンス作品賞受賞。05年”ghostly round”は各国で絶賛を得た。現在、ソロとして活動。

5月10日~21日、インドネシア ジャワ島を再訪し、アーティストとの打ち合わせや、フィールド・リサーチを行ってきました。今回はそのご報告を皆さんにお届します。

To Belong 2013年度の新作!始動…。

■前編
Yudi Ahmad Tajudin との出会い
身体の動きへの演出が綿密でダンスと近いという印象
photographed by Paul Kadarisman Yudi Ahmad Tajudin photographed by Paul Kadarisman Yudi Ahmad Tajudin photographed by Paul Kadarisman
Yudi Ahmad Tajudin
今回の旅の第1目的は、日本でも作品発表やコラボレーションを何度か行ってきた、インドネシアの演劇界を代表する演出家Yudi Ahmad Tajudin(ユディ・アフマド・タジュディン)との打ち合わせ。
彼はジョグジャカルタを拠点として活動する劇団、Teater Garasi(http://teatergarasi.org/)の創立メンバーで、演出家、俳優であり、ダンスの振付も手がけるマルチタレントなアーティストで、インドネシア、シンガポール、ドイツ、日本など国際的に作品を上演しています。演劇グループ、ビジュアルアーツ、音楽、現代オペラなど、異なるフィールドのアーティストたちと多くの共同作業を行っており、2013年10月には静岡県のSPACで日本人俳優が出演する作品を演出予定です。▼02_06.pnghttp://www.spac.or.jp/schedule

2010年のアーティストリサーチの旅に出た時、Teater Garasiに連絡をとり、彼らの稽古場を訪れ、ちょうどSPACでの公演前稽古を見学させてもらいました。できあがった作品を見たことはあっても、稽古場に御邪魔したのは初めて。
モノや身体との関係への取り組み、動き方への指示、など、身体の動きへの演出が綿密でダンスと近いなあ、という印象を持ち、強い興味を覚えました。

ジャカルタに滞在中の彼と長時間の集中打ち合わせ。プロジェクトのコンセプトを確認し、どんな作業からスタートするか、お互いを改めてインタビューし合いながら宿題を出し合い、夏まではインターネット上でのミーティングを重ね、彼の来日後は、私も静岡にしばしば足を運ぶ予定です。

毎日ものすごい渋滞に悩まされるジャカルタで、ユディの運転する車に乗り、インドネシアのダンス、演劇の現状について語る。
「インドネシアで劇団を創り、舞台美術・技術、アーティスト同士の共同作業やチームのありかた、海外での活動、などいろいろなことをゼロから考えてきたから、技術があるのは必然だったんだ。まだまだだけど、、、」とユディ。
Teater Garasiの活動は、演出家も複数おり、活動の広がりがとても頼もしい。

Yudi 演出作品「Third Body. On Embracing the In-Between」(Salihara劇場にて初演、2010)Yudi 演出作品「Third Body. On Embracing the In-Between」(Salihara劇場にて初演、2010)Photographed by Mohamad Amin
Yudi 演出作品「Third Body. On Embracing the In-Between」(Salihara劇場にて初演、2010)
Yudi演出作品「Je.ja.l.an(The Streets)」(ジョグジャカルタにて初演、2008、静岡、大阪でも上演された作品)Yudi演出作品「Je.ja.l.an(The Streets)」(ジョグジャカルタにて初演、2008、静岡、大阪でも上演された作品)Photographed by Mohamad Amin
Yudi演出作品「Je.ja.l.an(The Streets)」(ジョグジャカルタにて初演、2008、静岡、大阪でも上演された作品)

■後編
Endah Laras に一目(聴き)ぼれ!?
素敵な歌声がロビーに浸透した至福の時間
さて、今回の旅では、サウンドディレクター森永泰弘と同時期をねらい滞在し、森永ブログでも紹介させていただいたエンダ・ララス(Endah Laras、森永ブログを是非ご覧ください!
▼02_06.pnghttp://tobelong.seesaa.net/archives/20130408-1.html)との打ち合わせもしてきました。彼女の歌声をききにいざソロへ…。

ソロのイビスホテルで森永とエンダの打ち合わせに参加。
「ちょっと歌ってもらえない?」という突然のお願いに、「もちろん!」とウクレレを片手に、「クロンチョンがいい?インドネシアの古い歌がいい?それともフリー?」と旋律を選び、即スタンバイ。「こんなイメージだとどうなるかしら?
」とオーダーを加えると、即興的にそのイメージを取り入れ、変化させていく器用さ。たちまち彼女の甘い、素敵な歌声がロビーに浸透した至福の時間。
一目惚れしてしまいました。
すぐに一緒に作品をつくりたくなりました。森永のレコーディングも予定されているのでとても楽しみです。

Endah Laras ソロのIbis Hotelで歌い上げEndah Laras ソロのIbis Hotelで歌い上げEndah Laras ソロのIbis Hotelで歌い上げ森永、北村、Endahの声に酔いしれること数十分…。森永、北村、Endahの声に酔いしれること数十分…。森永、北村、Endahの声に酔いしれること数十分…。



さて、今回出会えたもう一人のアーティスト、Kill the DJ こと、マルツキ(Marzuki Mohamad)は、インドネシアではとても人気のあるヒップホップグループ、Jogja Hip Hop Foundation (http://www.hiphopdiningrat.com/)のリーダーです。

まずはJogja Hip Hop Foundationの音楽紹介映像をご覧ください。

なんとも涼しげなガムラン、ジャワの少しダークな雰囲気の魅力と、ヒップホップのリズムや手法が融合していて、個性的。もともとはビジュアルアーティストとして活動し、グラフィックデザインや映像を制作していた、というマルツキ。海外でレジデンスをしていた時期に、自国の伝統文化について、まだ知らないことがたくさんある、と気が付き、自分の表現に伝統的なことをとりこんでいけないかという発想をもったそうです。
そして、20代後半にさしかかり、華麗なるプロフェッションのチェンジ。ある日突然、音楽を創ることにめざめた、とか…。

「ジャワの音楽とヒップホップを融合していくことは、自分のルーツを探す旅でもあったんだ」と語ってくれました。

活動領域のジャンプの自由自在、その強さがとてもしなやかでうらやましい。
詳細は森永ブログで紹介されて行く予定なので乞うご期待!

実は、ユディとマルツキは古くからの友人で、舞台を一緒に手掛けたこともあり、今月末、ジャカルタのサリハラ劇場でユディの旧作を再演するのですが、その舞台美術を担当しているのがマルツキ。とても素敵な舞台セットの写真…。
いろいろなことがつながってきている実感を得て、いざ始動です!

Photographed by Yudi Ahmad TajudinPhotographed by Yudi Ahmad TajudinPhotographed by Yudi Ahmad Tajudin「End Game」舞台セット
Designed by Marzuki
2013年6月28日~30日 ジャカルタサリハラ劇場にて上演予定。
詳細はサリハラ劇場HPをご覧ください
▼02_06.pnghttp://salihara.org/event/2013/03/27/endgame

インドネシア武術の魅力[01]

循環的なエネルギーのやりとりが構築されていく流れをもつプリサイ・ディリ派のプンチャック・シラット
私が学ぶプンチャック・シラットは1000年以上の歴史をもつインドネシア武術で、500以上もある流派の中の一つ、プリサイ・ディリ(Perisai Diri)派といわれるもの。

この武術のデモンストレーションをはじめてみたとき、その動きの鋭利さとスピードに大きな魅力と好奇心を感じてやり始めた。曲線的な動きとともに、動物的に相手の隙をとらえて攻撃をしかける"戦う身体"をみていると、 戦いをみているつもりが、ほとんどダンスをみるような気分で見入ってしまっていた。武術に美を見いだそうとすることは、少し視点がずれているのではないか?と言われてしまうかもしない。本気の戦いなら、美しいもなにもなく、如何に相手を素早く倒すかのみだ、という解答もあるかもしれない。

しかし、よけ遅れれば、顔を突かれ、膝を思い切り蹴られ、ひじ打ちをくらう、などの大けがにもつながるスピードとパワーと残酷さが伴う戦いぶりではあるものの、その身体のバランスと判断の素早さと正確さ、そして同時に、そのリスクを共有する喜びを永遠に継続しようとする身体のモチベーションの高さは、独特の身体の美しさを放っていた。

相手を倒す、という目的をもつ武術とダンスは一見かけはなれた存在に思えるかもしれないが、身体同士の最も洗練されたコミュニケーションである武術には、ダンスへの多くのヒントがあるのでは、と直感した。

プンチャック・シラット、プリサイ・ディリ派は、伝統シラットで歴史的に受け継がれてきた「護身」(self-defense)のコンセプトを守りながら、1955年に立ち上げられた近代武術であり、創立初期に相手と対面する上でよりスピーディーに効率よい攻撃・防御をし続けるための論理的なルールが思考された。

中でも、攻撃と防御を意味する「スラン・ヒンダール(serang hindar)」という戦い方は、プリサイ・ディリ派の特徴的なもので、その戦い方は、相手を打ち負かすために力をこめて相手の身体傷つけるようなものではなく、相手の攻撃の力の方向を読み取り、それを逃がして打撃を防ぐ、またはそれを使って自分の攻撃力に変える、という循環的なエネルギーのやりとりが構築されていく流れをもつ。

インドネシア武術の魅力[02]

“戦う身体”を知るために、インドネシアにおいてプンチャック・シラットのフィールドワークをおこなっている。
プリサイ・ディリ派のプンチャックシラットの特徴は、自身(Diri)を護る(Perisai) 上で、打ち負かすことよりも、相手との戦いを継続することに重きをおき、まるで、スピーディーな身体同士の問答を楽しむようでもある。防御する際は、攻撃者の横や背後に身体ポジションをとり、足運びが軽やかで曲線的であったり、動物や人間の型がそれぞれユニークで、シンプルなルールに多様な動きのバリエーションを生みだしていく。

そしてなにより、2人1組で戦い続けている様が異様なスピードで展開されるため、2人の速度感がピタッとマッチすると、攻撃する身体と防御する身体が強く触れ合う瞬間もあり、その強さがまた次の攻撃の力へと延命されていく。

ゾクゾクするようなスリリングさと共に、瞬間的にエネルギーの渡し合いをしながら、身体同士が対話をしている確かな手ごたえが観る者にも伝わり興奮をよぶ。身体と身体の間に何かが生まれ、そして消え、その力の大きさがスピードと接触によって大きくなったり小さくなったりするようにも見えてくる。

この二人はいったい誰と戦っているのだろう…いや誰と対話をしているのだろう?不意にそんな問いが頭に浮かんだ。

達人たちの戦いぶりを見ていると、戦い続けることの喜び、攻撃・防御の間でやりとりされるエネルギーの交換、つまり、アクション/リアクションの継続がとても楽しいのだと、アピールせんばかりにリズミカルに相手の背後にくるくると回る。もちろん攻撃には容赦がない。

護身を基本とした武術だと攻撃のバリエーションはどうなのか、という質問をよく受けるが、ジャンプキック、突く、ひっかける、体当たりで倒す、足技、手技の種類は豊富で、武器を使うテクニックも多く、基本的には、相手を倒すための技で、なかなかあたるとひどく痛めてしまうものも多い。しかしその攻撃をよけ切り、かわし、エネルギーを受け取り、次の攻撃へとつなぐ行為には、運動の緩急で観る者を翻弄しながらも、「自己と相手が共によい方向に向上する」という美しい精神ベースがある。

Golokの使い方を教えるスシロ先生。この攻撃をよけるにはまだまだ緊張が走ります。Golokの使い方を教えるスシロ先生。この攻撃をよけるにはまだまだ緊張が走ります。Golokの使い方を教えるスシロ先生。この攻撃をよけるにはまだまだ緊張が走ります。
早田恭子さん、マイGolokでお手本をみせてくれました。早田恭子さん、マイGolokでお手本をみせてくれました。早田恭子さん、マイGolokでお手本をみせてくれました。
まずは、プンチャック・シラットの精神性、歴史や、戦い方の種類のレクチャーを受け、型の種類、攻めと防御の型、足運び、力の入れ方、型のバリエーション、演武など、ともかく、考える前に動く、という流れで次々と身体に叩き込まれていった。
ジャカルタの駐車場で訓練をうける筆者。ジャカルタの駐車場で訓練をうける筆者。ジャカルタの駐車場で訓練をうける筆者。
出会いから9年目となるこのところ、少しずつこの武術に何故自分がこれほどまでに魅かれるかを改めて考えるようになり、自己の学ぶ流派のみならず、様々な流派の達人たちの“戦う身体”を知りたいと、インドネシアでのフィールドワークにでるようになった。(つづく)

※「月刊 秘伝」9月号では、プンチャック・シラット3流派が紹介されています。
    ▼02_02.png「月間 秘伝」についてはコチラ(amazon.co.jp)

※基礎を学べるDVD「インドネシアの伝統武術 シラット~東南アジア発の注目の近接格闘武術!~」 第1巻:基礎/基本編も発売中。
    ▼02_02.png「インドネシアの伝統武術 シラット」についてはコチラ(amazon.co.jp)

日・ASEAN 友好協力40 周年 インドネシア×日本 国際共同制作公演

北村明子新作 映像 / 音楽 / ダンス
To Belong ─cyclonicdream─
公開稽古 & ビフォー・トーク[終了いたしました]
日 時:2013年11月8日(金)19:30 開場/20:00 開始
参加費:無料
会 場:森下スタジオhttp://www.saison.or.jp/studio/access.html

内容
コンテンポラリーダンス界の先駆者、北村明子が挑戦するインドネシア・日本国際共同制作、第三弾、「To Belong ─cyclonicdream─」の長野県茅野市民館での公演に向けての、公開稽古を行います。
創作課程において、振付家の北村明子が大切にしている動きをダンサーを使って解説したり、今回の作品の動きのヒントを得たインドネシア武術であるプンチャック・シラットのデモンストレーションも観ていただけます。
さらに、出演者でもあるインドネシアの歌姫エンダ・ララスのミニライブなどもお楽しみいただけます。お気軽に覗きに来てください!

デモンストレーター
    Trisna Irawan(プンチャックシラット デモンストレーション)
    早田恭子(プンチャックシラット デモンストレーション)
    Yudi Ahmad Tajudin
    Endah Laras
    大手可奈
    Rianto
    西山友貴
    川合ロン
    森永泰弘
    北村明子

ご予約・お問い合わせ
E-mail:press@akikokitamura.com
TEL:090-8855-6829 (Office A/LB:小山)
※スペースの都合上、先着80名様で締め切らせていただきます。

インドネシア武術の魅力[03]

■消えていく身体感覚・1
「この呼吸の訓練法は、私がダンスの稽古場で大事にしている、力の"on/off"、"何かがでたり、はいったりする運動感"に、とても近く感じられた
初夏に行ったフィールドワークで、様々な流派のシラット使いの達人たちと対面し、戦いにおける身体技法の一部を紹介していただく機会があった。

前回でもご紹介した、インドネシア武術プンチャック・シラット、プリサイディリ派は、シンプルで論理的な戦い方を体系化してきた流派だが、私自身が数年その訓練を受ける中で、はたして別の流派との共通点はどこまであり、どのような違いがあるのか、少し知識を広げたいと感じていた。異なる流派の達人たちを訪ね、中でも特に興味のある呼吸法や力の掛け合い方について、どのような訓練を行っているのか体験させてもらいながらリサーチしてみることにした。

まずは、ジョグジャカルタで稽古をつけてもらったヘルーさん。ガジャマダ大学で役者やダンサーに身体WSをしているということもあり、ヨガとシラットを組み合わせた訓練法で、武術から学ぶ身体感覚を様々なことに応用していけそうなレクチャーがとてもわかりやすかった。

ヘルーさんにエクササイズの基本的な考えを聞くヘルーさんにエクササイズの基本的な考えを聞くヘルーさんにエクササイズの基本的な考えを聞く呼吸の深さ、止め方、はき方、どれも曖昧さがなく、しっかりとした感覚に基づいたもの。シラットの型の組み合わせを反復し、吸う、吐く、止める、といった呼吸のタイミングと深さ、強さ、長さと共に、運動しながらの重心移動を感覚的にしっかりと捉えるように指導を受ける。

外側から型を維持するということよりも、常に内側からすっと決めた方向に、呼吸を差し込むように運動を進める。足で立つというよりは、まるでおなかの中に、呼吸で膨らませたキューブ状のものがあり、それがエンジンのように変化して、身体をぐいぐいとすすめる剣のようなものになっていくような感覚だ。

ヘルーさんの稽古はシンプルながらなかなかハードだが、自己の呼吸の深さ、強さ、長さ、が身体のバランスの取り方、手足のアクションの強弱にも大きく影響することに気付かされる。

この呼吸の訓練法は、私自身がダンスの稽古場で、動きの抑揚や他者へのアクション、リアクションの動きを生み出す時に一番大切にしていること、力の「on/off」、「何かがでたり、はいったりする運動感」にも、とても近く感じられた。

インドネシア武術の魅力[04]

■消えていく身体感覚・2
戦うために必要な多様な感覚の層が、
身体内で循環を繰り返す
ひとしきり呼吸を強く意識する訓練を終えたあと、スラン-ヒンダール(攻撃、防御)を行う時に考え得る、力の強弱について教えてもらった。最も困惑したのは、こちらが攻撃をしかけるとヘルーさんはふっと力を抜く瞬間だった。触れた途端に、不意に逃げてしまうといった具合だ。自分のフォーカスとバランスを失い、身体の運動に指令が出せなくなり、混乱し、どんなにやられまいと気をはっていても、そのすきをつかれて簡単に倒されてしまう。

力の強弱についての指導を受ける力の強弱についての指導を受ける力の強弱についての指導を受けるプンチャック・シラットのself-defenseというコンセプトについて改めて考えてみたくなる。受ける攻撃の動きの方向性を捉え、それに対して、力を抜いて逃げながら、弧を描いて相手の力を吸収して攻撃に変える。言葉で書くとそういうことだが、ヘルーさんの動きをみていると、そんな理屈はさしてない、と言う感じだ。自ずと皮膚で感じたままに、力を吸い取り、それを相手に返している、という風に自然に動きを展開する。

戦いためし戦いためし戦いためし戦いためし戦いためし戦いためし


力の渡し合いを楽しむ、衝突を避けることで戦い続けることが可能、というお話しを聞く。力の渡し合いを楽しむ、衝突を避けることで戦い続けることが可能、というお話しを聞く。力の渡し合いを楽しむ、衝突を避けることで戦い続けることが可能、というお話しを聞く。
合気道でもこういった力の使い方はあるものの、それよりももっと「衝突を避ける」ということに重点があるように感じる。ある意味しなやかでエレガントなものに感じた。


おまけのストレッチリフトおまけのストレッチリフトおまけのストレッチリフト最後にふわっと腰をもちあげられ、ストレッチをかけてもらいました。コンタクトインプロヴィゼーションの基本にも似たエクササイズだが、このまま投げられたらどうしよう、という緊張も走る(笑)。

存在を消す、引く、衝撃を回避するという戦い方には、身体をリラックスさせ、受ける情報に鋭敏に反応する身体状態を保つことが欠かせない。相手と自分の関係を「感じる」こと、小さな裏切りを起こすこと、といった、戦うために必要な多様な感覚の層が、身体内で循環を繰り返し、次の攻撃を判断しているようにも感じられた。ここでも「rasa」というキーワードがまとわりつく。

To Belong ─cyclonicdream─
初演無事終了しました。御礼申し上げます!
「To Belong-cyclonicdream-」茅野市民館での公演にお越しいただきました皆様、本当にありがとうございました。平日にもかかわらず、長野県のみならず各県から多くの皆様に作品を見に来ていただき、深く感謝しております。また、ご来場いただけなかった方々からもあたたかい応援をいただきました。この場をお借りいたしまして、改めて、一同、深く御礼申し上げます。

さて公演終了後、ほぼ休みもなく突入した別のプロジェクトのリハーサル…今まさに佳境、仕上げに入りました。ひとつは、12月23日が本番の松本市民オペラ「カルメン」、そしてもうひとつは、12月25日に本番を迎える、信州大学の文化庁助成事業「往来と創発」ダンス部門の公演「Emotional Strata」(詳細は、信州大学 文化庁プロジェクト「往来と創発」特設サイトよりご覧ください。

そして年明けには、レジデンス振付作品のオーディションとリハーサル開始のためシンガポールへ行きます。現地では。3月の「To Belong」シンガポール公演にむけてのミーティングもあるので、ほとんど休みがない慌ただしい年末年始となりそうです。

緊張感をもって体調管理をしていますが、ともあれ、考えて、動いて、眠って、整理して、考えての循環をひたすら続けています。疲労困憊しても、身体が生み出す、得体の知れない魅力的な時間と空間にでくわすと、一気にその疲れがふきとんでしまいます。ある種のドーピング…3月末まで減速なしでがんばります!

まずは、茅野市民館での公演にご来場いただけなかった皆様に、短編ビデオと写真、をお届けいたします!

皆様からの様々なご協力と応援をいただくなかで、To Belongプロジェクトは旅をしながら、現地でのリサーチと体験から新たな要素を吸収し、変容していきます。ぜひ、引き続き、あたたかい応援をよろしくお願いいたします。

To Belong ─Cyclonicdream─ ショートビデオ


歌姫エンダの影に包まれて、ジャワ語でマントラを唱えるユディ。歌姫エンダの影に包まれて、ジャワ語でマントラを唱えるユディ。歌姫エンダの影に包まれて、ジャワ語でマントラを唱えるユディ。北村のどんな体当たりもしっかり受けてくれる、頼もしいユディのリアクション。「身体の会話を信じている」から全然怖くない…と信頼感100%。北村のどんな体当たりもしっかり受けてくれる、頼もしいユディのリアクション。「身体の会話を信じている」から全然怖くない…と信頼感100%。北村のどんな体当たりもしっかり受けてくれる、頼もしいユディのリアクション。「身体の会話を信じている」から全然怖くない…と信頼感100%。「身体の強度」という言葉を改めて実感した驚愕のダンサー西山友貴。「身体の強度」という言葉を改めて実感した驚愕のダンサー西山友貴。「身体の強度」という言葉を改めて実感した驚愕のダンサー西山友貴。



リアントとエンダの掛け合いは、常に稽古場に笑いを振りまいてくれました。互いの魅力を相乗効果的にあげていく二人。リアントとエンダの掛け合いは、常に稽古場に笑いを振りまいてくれました。互いの魅力を相乗効果的にあげていく二人。リアントとエンダの掛け合いは、常に稽古場に笑いを振りまいてくれました。互いの魅力を相乗効果的にあげていく二人。大手可奈と西山貴友の身体能力には、ときどき唖然大手可奈と西山貴友の身体能力には、ときどき唖然。大手可奈と西山貴友の身体能力には、ときどき唖然大手可奈と西山貴友の身体能力には、ときどき唖然。大手可奈と西山貴友の身体能力には、ときどき唖然。踊るということの幅を常にひろげてくれる、クリエーション力抜群のダンサー川合ロン。踊るということの幅を常にひろげてくれる、クリエーション力抜群のダンサー川合ロン。踊るということの幅を常にひろげてくれる、クリエーション力抜群のダンサー川合ロン。


リアンと川合ロンの掛け合いは、とてもスリリング。男同士ならではの危険な振りに挑戦してくれました。リアンと川合ロンの掛け合いは、とてもスリリング。男同士ならではの危険な振りに挑戦してくれました。リアンと川合ロンの掛け合いは、とてもスリリング。男同士ならではの危険な振りに挑戦してくれました。欧州でのクリエーション経験豊富な大手可奈。躊躇もなく言葉を扱うことに挑んでくれた勇敢なダンサー。欧州でのクリエーション経験豊富な大手可奈。躊躇もなく言葉を扱うことに挑んでくれた勇敢なダンサー。欧州でのクリエーション経験豊富な大手可奈。躊躇もなく言葉を扱うことに挑んでくれた勇敢なダンサー。

インドネシア武術プンチャック・シラット
オープンワークショップ開催のお知らせ
「このブログでもご紹介しております、私がこよなく敬愛するインドネシア武術プンチャック・シラット(プリサイディリ派Pencak Silat perisai diri)の高段者が来日し、特別ワークショップを開催します。

呼吸法、武器を使用した技などの他、日本国内ではなかなか教えていただけない貴重なテクニックをご紹介いただけます。武術経験者のみならず、ダンスや演劇、ほか身体表現に関わる方、未経験者も歓迎いたします。この機会にぜひご参加くださいませ。

講 師
シギット・プラコソ氏(最高師範資格者)Sigit Prakoso
日 程
2014年
2月16日(日)16:00~18:00
2月23日(日)16:00~18:00
3月2日(日)16:00~18:00
3月9日(日)16:00~18:00
※レッスンは裸足で行います。動きやすい服装でご参加ください。
参加費
1,500円/1回
開催場所
インドネシア共和国学校 BALAI INDONESIA
東京都目黒区目黒4丁目6-6
●会場への行き方
目黒駅西口より徒歩約15分。 (目黒通りを山手通り方向に直進し、インドネシア料理店CABEを過ぎた最初の角を右折、突当りを左折)
バス利用の場合は、目黒駅西口より東急バス(どれでも可)に乗り、3つ目のバス停「元競馬場」下車、徒歩2分。
(下の地図をクリックすると拡大サイズでご覧いただけます)
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お問い合わせ&お申し込み先
 

 

シギット・プラコソ氏(最高師範資格者) Sigit Prakoso (Pendekar)
シギット・プラコソ氏(最高師範資格者)1953年生まれ。氏は現在、インドネシアの武術プンチャック・シラットの一つの流派であるプリサイディリ本部のボードメンバーである。同流派の東京支部の指導者であるスシロ師の元弟子であり、本部のみで行われる最高段位の昇段試験審査員の一人でもある。また、数多くの大会の企画や主催、オットー師(ロンドン支部現指導者)とのロンドン支部の共同設立や、東京、ボン、ロッテルダム、ブリスベンの支部の特別コーチを歴任するなど、国際的な活動により、シラット、とりわけプリサイディリ派の普及に多大な貢献をしてきた。
呼吸法や武器の使用を得意分野とし、また工学分野の専門家でもあるため、プリサイディリの技術を科学的な観点から説明するユニークな指導法が好評を博している。

北村明子シンガポール滞在記

シンガポールの若手ダンサーへのレジデンス創作作品。
リハが終わるたびに、禅問答のような質問からはじまる対話は、なかなか新鮮です。
マーラインオンから遠くはなれて、NUSでレジデンス創作中…。シンガポールにきてから早くも12日目。シンガポールのNUS(シンガポール国立大学)に滞在中。同大学のアートセンターが主催するNUS Arts Festival(http://www.nus.edu.sg/cfa/NAF_2014/index.html)のオープニングを飾る、シンガポールの若手ダンサーへのレジデンス創作作品のため、To Belongクルーより一足先に3月2日からシンガポール入りしています。

年明け1月に行った10日間のレジデンス以来、メールやFacebook でダンサーへの課題を出し、リハーサルビデオをチェックして、スタッフとのコミュニケーションをとりながらリハーサルを進めてきました。若いダンサーたちの中には、中国やマレーの伝統舞踊の経験者たちが多く、自ら動きを考えたりする“クリエーション”は、はじめてという人もいて最初はなかなか共通言語を持てず苦戦。でも丁寧に言葉と身体で提案を重ねていくうちに、徐々に私とのやりとりになれ、今ではダンサーからたくさんの提案もでてくるようになりました。

振付を完璧にこなす、という発想から、自分たちから生み出た動きを発展させたり、歩く、座る、見る、というなんて事ない動作をどうやって処理していいかわからない、という様子のダンサーたち。

「たくさん動きがあるけど、最も重要なのは、立ち止まってモノに触れるとき、という考え方もあるよね」と言うと、完全に「?」がかえってきていた1月にくらべ、今回は、彼ら自身が考えるモノと身体の関係をアプローチ。リハが終わるたびに、禅問答のような質問からはじまる対話はなかなか新鮮です。

いよいよ明日3月14・15日がNUS ダンサーの作品「Emotional Strata」の上演。この作品は、信州大学の文化事業「往来と創発」(http://chino-orai.com/event_dance.html)のダンス部門のイベントで、サーカスアーティスト金井圭介、映像作家兼古昭彦、音楽家横山裕章、ドラマトゥルク山田咲がタッグを組んで信州大学の学生たちとパフォーマンス作品を制作したことがはじまり。その後、映像、音楽の内容をほぼゼロから改訂し発展させ、コンセプトを改め、NUS ダンサーとのクリエーション作品へと発展。信大とNUS の不思議なつながりのはじまりになるかしら…。

テクニカルとcue to cue チェックの舞台リハ。テクニカルとcue to cue チェックの舞台リハ。テクニカルとcue to cue チェックの舞台リハ。身体の力強さがどんどん増していくので本番が楽しみ。イスラエル、台湾の振付家の作品とのトリプルビル。お近くの方ぜひご来場ください!身体の力強さがどんどん増していくので本番が楽しみ。イスラエル、台湾の振付家の作品とのトリプルビル。お近くの方ぜひご来場ください!身体の力強さがどんどん増していくので本番が楽しみ。イスラエル、台湾の振付家の作品とのトリプルビル。お近くの方ぜひご来場ください!



3月15日、ちょうどこちらの本番中にTo Belong クルーがシンガポール入りします。首を長くして待っています。

NUS Arts Festival Opening Show
─ OVERDRIVE: A TRIPLE BILL ─
http://www.nus.edu.sg/cfa/NAF_2014/f-overdrive.html
Fri 14 & Sat 15 Mar | 8pm | UCC Theatre | $29 & $23 | 100min(with interval)

 
休憩タイムにでかけたシンガポールの観光スポットは…

アジア文明博物館http://www.acm.org.sg/home/home.html
アジア文明博物館アジア文明博物館
なかなかコンパクトで見やすく充実。インドネシアとカンボジアの仮面舞踊用のマスクの作りの違い、影絵芝居の比較、ベトナムの水上人形劇のビデオなどもある。1F の各地域のコーナーごとの展示も選択項目が大変だろう、という中、シンプルにわかりやすく展示。特設展は法門寺の秘宝の展示。



シンガポール植物園http://www.sbg.org.sg
アジア文明博物館アジア文明博物館アジア文明博物館アジア文明博物館写真左:乾期だったので、植物たちに元気がなかったですが、世界中の蘭の展示や、たった一日しか咲かないというたくさんの種類の生姜の花の紹介、ヘリコニアの花の力強さなどなどに、疲れも吹き飛びました。

写真右:力強いうねりに魅了。


ダンスフェスティバル
「Dance New Air To Belong /Suwung 」
(2014年10月3~10月5日・青山円形劇場)にむけて
身体の修復、痛みとリハビリの日々
大変ご無沙汰してしまいました。今年の3月のシンガポール公演を終えて、4月4日にバンカート修復術で、肩の靭帯をつなぐ手術をしてからというものなかなかブログに向き合う時間がとれませんでした。
5ヶ月のリハビリ期間を経て、9月に入り最終仕上げをしています。
復帰には8ヶ月、うまくいけば半年、というぎりぎりの計算の中、術後2週間で筋痙攣を起こしてしまい、再入院。リハビリ開始に1ヶ月のロスというとても痛いスタートで、舞台に立つ事はもとより、振付をすることすらほとんど絶望的な感じさえしました。
ゴールデンウィークあけから、少しずつはじめたリハビリは、おそるおそる床に寝て肩甲骨を押すだけの運動や、机を布で拭く「ぞうきんがけ」のような動作のみ。日常生活にもたくさんの壁があり、毎日が憂鬱。ちょっとした刺激にも敏感に反応して筋痙攣をおこしてしまう、という状態を繰り返していました。予想以上に回復は遅く、ダンスオペラの振付作業がスタートした6月は、十分に動ききれず、ほとんどをダンサーとの口頭やりとりのみで動きを創る、ということになりました。内心はらはらどきどきで生きた心地はしませんでしたが、出演者、スタッフのすばらしい協力体制で、無事終了。涙涙の辛くて痛いリハビリを毎日続け、晴れて自分の身体に向き合う時間がもてるようになった8月は、できるかぎりの集中治療に突入。痛みの信号を読み取り、治癒力を高める信号を送る、という不思議な電気治療器、AcuScope, Myopulseを使用しての治療を飯島先生(http://www.seiyukai.com/iijima/)と、正しい支点での運動へと導く、全身の筋肉、筋膜をほぐすマッサージをトレーナーの五藤先生に施術していただきながら、回復の速度を促進。ようやくリハビリも軌道にのってきました。

ダンスオペラ「Gandari」
8月末からは今年の12月12・13日にジャカルタで上演されるダンスオペラの本番にむけての振付に、ダンサー、演出家が再来日。すばらしいメンバーで最終仕上げにむかっています。

 出演者には、To Belong ─cyclonicdream─ シンガポール公演を見に来た作曲家トニー・プラボヴォ(Tony Prabowo)とインドネシアのプロデューサーらが選んだ日本人ダンサー、大手可奈、西山友貴、川合ロン、そして日本在住のリアント(Rianto)、と、はじめて作業をするダンサーが二人。ダナン・パムンカス(Danang Pamngkas)はクラウド・ゲイトで2年の研修後、インドネシアで活動再開。2011年に舞台を見たときに、いつか一緒に作品をつくりたいなあ、と一目惚れ。今、インドネシアで最も注目を浴びるダンサーのひとり。そして、ルルク・アリ(Luluk Ari)は野性味と繊細さを持ち合わせるダンサー。もともとソロの芸術大学では、音楽を専攻。バンドでドラムを担当していたところ、途中で専攻をダンスに変更。ジャワ舞踊、カポエラなど多様なテクニックを身につけながら、黙々とクリーエーションを牽引し、驚異的なダンス力でメンバーを一撃しています。
ダンスオペラ”Gandari” の稽古は9月で、いったん終了。11月末からジャカルタ入りして最終仕上げです。ジャワへの旅のご予定の方、ぜひご来場を!
ガンダリリハーサル風景:演出家ユディ・アフマド・タジュディンとは、To Belongプロジェクトでの役割を交換し、私がアドバイザーのような役割に回っています。ガンダリリハーサル風景:演出家ユディ・アフマド・タジュディンとは、To Belongプロジェクトでの役割を交換し、私がアドバイザーのような役割に回っています。ガンダリリハーサル風景:演出家ユディ・アフマド・タジュディンとは、To Belongプロジェクトでの役割を交換し、私がアドバイザーのような役割に回っています。ダンサー、西山友貴とダナン。すばらしい集中力から生まれたデュエット。ダンサー、西山友貴とダナン。すばらしい集中力から生まれたデュエット。ダンサー、西山友貴とダナン。すばらしい集中力から生まれたデュエット。
全員参加のシーン。ルルクの床からハイジャンプが高すぎて、アンサンブル用に振付を改めなければならないことも…。全員参加のシーン。ルルクの床からハイジャンプが高すぎて、アンサンブル用に振付を改めなければならないことも…。全員参加のシーン。ルルクの床からハイジャンプが高すぎて、アンサンブル用に振付を改めなければならないことも…。



To Belong /Suwung
2014年1月スラマット・グンドノがこの世を去り、3月のシンガポール公演は、チーム内ではグンドノの追悼公演という思いが強まりました。あれから半年たち、現在新たなクリエーション中です。
これまでのTo Belongの軌跡については、セゾン文化財団ニュースレター第67号にも書かせていただきましたが(http://www.saison.or.jp/viewpoint/pdf/14-05/viewpoint-vol.67_kitamura.pdf)、2014年10月3日~5日、青山界隈で展開されるダンスフェスティバルDance New Air(http://dancenewair.jp/program0107) では、To Belongプロジェクトの集大成として、「To Belong/Suwung」が登場します。先週からその稽古にむかってひた走り。オペラ「Gandari」で作業をともにしてコミュニケーションを深めた、ルルク・アリを新たなダンサーに迎え、新作を発表します。
▼02_06.pngTo Belong─cyclonicdream─シンガポール公演の様子はコチラ

青山円形劇場、青山劇場は思い出がたくさん詰まった劇場です。
1998年、カンパニーLeni-Basso時代、「Slowly, Slow for Drove」という作品を上演させていただき、さらに、1999年、青山劇場では、青山バレエフェスティバルにバレエダンサーとの作品創作に挑ませていただきました。
いずれも20代のころの必死の作業でしたが、振付家として、たくさんの事を学ばせていただきました。青山の稽古場に通う度に、そのころのメンバーとの会話、必死にダンスと向き合ったり、どんなことを考えていたか、など、たくさんの記憶がよみがえってきます。

「To Belong/Suwung」はインドネシアの古い詩にインスピレーションを受け、共演者達が、自己のバックグラウンドから発想を得た、様々なアイデアを展開していきます。

─Suwung─
とあるジャワ人が唄う:
        見よ。よく見よ。
        真実の目で見よ。
        目の片隅からではなく、
        なぜなら、目の片隅からでは惑わされる
        そして、瞬きでは全てが見渡せない
        見られるべきものは姿を現す
        現れる、それは見てほしいからだ
        それはあなたです
        裸。独り。無名。暗闇の中。
        半分閉じられた目
        それは全てを見通す
        自由を奪われた身体は
        スワング(空虚)に到達する
        そこでは全てが静止する(そして意味が明かされる)

※ジャワの教えや物語を収集した十二巻からなる「スラット・チュンティニ」(1814年)の手引き536より。「スラット・チュンティニ」は近年のジャワ文学で最も重要とされる本であり、ジャワの様々な知識や文化の保持と保存のため後世に伝えるべく書かれた。「スラット・チュンティニ」は歌詞の様式で書かれ、歌のテーマによって各章にまとめられている。本の製作を命じたスラカルタの皇太子、スリ・パク・ブウォノ五世自信も執筆し、その他3つの異なる宮廷の宮廷詩人3名が執筆を手がけた。

チラシができましたので、ぜひご覧下さい! 皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。
▼02_06.pngチラシはコチラ
 

 

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